アメリカで就職したいと憧れる方は少なくありません。
結論を言いますと専攻を選び間違えるとアメリカでは就活の難易度が一気に上がります。日本のように大学名を気にしてアメリカの大学を選ぶと後々大変なことになるので注意が必要です。
アメリカで働きたい!という志をもって留学を希望する人・してる人に伝えたいことは実際にアメリカの企業に日本人留学生が就職してるケースは1%も満たないということです。皆さんビザが取れず帰国します。
しかしこの1%を99%にする方法があります。それは”起業”することです。
— 戸村 光 (@hikaru_hackjpn) February 25, 2019
この記事では「学部卒の就活」について詳しく述べています。
※修士や博士を持っている方対象ではないのでご注意ください。
アメリカと日本の就活の違い
まずはじめにアメリカと日本では就活のシステムは全く違います。日本とアメリカの就活の違いについて見ていきましょう。
アメリカには新卒一括システムがない
アメリカには日本のように新卒一括採用というシステムがありません。したがってアメリカで就活する場合にはいわば中途採用の方たちと戦わなければなりません。彼らは社会人として何年か経験している場合が多いのでもちろん採用官はそちらの方により注目します。
この就活システムがアメリカの学部卒就職を難しくしています。このような中途人材と張り合うには在学中に長期インターンシップをして経験を積んでいる必要があります。
アメリカはポジション採用
アメリカは日本の多くの企業のように会社で採用してその後職種別に振り分けるのではなく、「SEO Manager」のようにポジションを指定して募集する場合がほとんどです。したがってそのような仕事内容にフィットする経験とスキルを持っていることが仕事を取得するためには必要不可欠になります。
先日一つのポジションに150人からアプライがあった
私は今アメリカ企業で自分の職場に入る人を面接で決めています。先日エンジニアを1人、Indeed(日本でいうマイナビやリクナビ)で募集したのですが、その1枠に対して150人以上からたった3日でアプライがありました。先ほどの話と関連しますが、そのような競争の中で、学部卒の経験なしの留学生が雇われることはほとんど厳しいと言えます。
またこの150人の中にはPhD(博士課程)を持っているアメリカ人や社会人として10年以上経験している方、世界トップの大学院でコンピューターサイエンスを勉強したような方まで様々でした。彼らはアメリカ人なので留学生が出る幕はよほど優秀でない限りかなり少ないでしょう。
エントリーレベルの仕事がかなり少ない
僕はアメリカで就活をした際にエントリーレベル(経験なし歓迎)の仕事を見つけようとしたのですが全然見なかったのを覚えています。アメリカは日本で新卒を教育するようなシステムではなく即戦力として採用します。
したがってCandidate(応募者)の条件として「2~4年以上、自分の応募する職種の経験が必要」と書かれているものが多かったです。アメリカで学生のうちはビザの関係上留学生は働けないのでこのような年数による条件を設定されると日本人としての就活がかなり厳しくなります。
留学生としてアメリカで働けるのは1年間
アメリカでは学業が終わった後、OPT(Optional Practical Training)というトレーニング期間で合法的に働くことができます。このOPTの期間は通常1年間で、専攻がSTEM(Scienece, Technology, Engineering, Mathematics)の場合はその期間を延長することができます。
企業側の目線に立ってみると留学生を雇えるのはわずか1年間しかないわけです。通常仕事探しに1~2か月かかるので約10か月しか働く期間がありません。つまり10か月後に確実に辞めてしまう人を企業側は雇わなければならないということです。先程のIndeedで人を探す場合はお金と時間がかかります。
アメリカ企業はOPTに対してあまり寛容ではない
企業側としても10か月後に辞めることが決定している人をわざわざ雇いたくないわけです。ましてや留学生でOPTの後にビザサポート(就労ビザ:H1Bビザ)をするとなると弁護士が必要になるし、アメリカ政府の抽選によって決められるため、落選する可能性も大いにあり面倒くさいわけです。
このような状況を考えると学部卒の留学生がアメリカで雇われることはかなり難しいということができます。専攻が良ければ可能性はぐんと上がりますが悪ければかなりハードモードになります。ではなぜ専攻が関係するのでしょうか?
アメリカでは就職と専攻はかなり関係している
アメリカでは就職と専攻はかなり関係します。資本主義のアメリカで需要のある仕事に関係する専攻だと仕事が取りやすいです。(先ほどのOPTも延長されるため採用側は安心する)一方、アメリカであまり需要のない職種の専攻を勉強していると就職に困ります。大学院まで出ていたり社会人経験が豊富なら話は別ですが、専攻がよくない学部卒ならかなり厳しいのが現状です。
以下のツイートに該当するような学部卒でそのままアメリカに就職しようとするとかなりの確率で行き詰まります。
【注意】大学ランキングだけ気にするな
アメリカ就職で仕事が見つからない専攻
心理学
コミュニケーション
歴史
数学
生物
言語
哲学
国際ビジネス
地理
アートこのような専攻の学部卒では移民としてアメリカで就職するのはハードモードです。
それは世界大学ランキング上位に入っていてもです。
— シンヤ🧙♂️GM in LA🇺🇸 (@wizard_of_seo) March 12, 2019
僕の友達で世界ランキング10位のUCバークレー校やUCLAを上記の学部で卒業したアメリカ人の何人かは仕事が見つかりませんでした。
飲食店を経営している友達が言っていた話だけど、ウェイトレスやバーテンダーの応募にUCLAやUSCの新卒が、仕事が見つからないからと来るらしい。
私が大学生の時もそうだったし、日本のような就職活動がアメリカにはないけれど、現地人で有名大卒でも仕事が見つからないとか結構あるのです。 https://t.co/K51QV4CvrY
— Yurie@アメリカ在住マーケター (@theyureal) February 26, 2019
日本の場合は大学名で就職できる
アメリカの場合は卒業した大学が良ければ大手企業でなくてもどこかへ就職することが可能です。私は日本で旧帝大を卒業したのですが卒業生はほとんど大手企業に就職しました。今は日本が人手不足によって売り手市場になっている、そして職種にアプライせずに会社にアプライする、新卒枠に転職組が含まれていないことからどこかしらへは就職することが可能です。
この記事で述べたように、アメリカでは
①新卒中途が関係なく就活していること
②募集人数の少ない職種採用に多くの人が全米からアプライしてくること
③アメリカには世界中から優秀な人材が集まっていること
④英語が母国語ではないこと
⑤コネ採用により一般採用の枠がかなり狭いこと
⑥OPTで働ける期間が1年しかないこと
⑦企業が即戦力を求めていること
がアメリカでの学部就活の難易度を超絶ハードモードにしています。
シリコンバレーの同級生の動き
🇯🇵留学生→九割日本に帰り大手に就職
🇨🇳留学生→五割残り親の財産で投資家
🇮🇳留学生→五割残りエンジニア就職
🇺🇸現地人→七割CS専攻で卒業年収1000万↑— 戸村 光 (@hikaru_hackjpn) February 25, 2019
この超難易度の高いアメリカ就活を学部卒でどうすれば成功させることができるでしょうか?
実際にアメリカで働き、現在採用立場としても働いている私がおすすめの13個の方法を以下の記事で紹介します。